-お茶・農業を私たちが楽しみ、曽於市を盛り上げる!片平さんの場合-
僕は都城を皮切りに、宮崎15年、鹿児島3年、隼人3年、計34年間サラリーマン生活を送りました。
サラリーマンで一生終わるつもりだったのですが、きっかけは友達から話があり。親父がここまでやってきた茶園も何とかしないといけないということで、早期退職で3年前に辞めて、現在に至っています。
勤めていた会社が生産、流通、分配、食品会社で、本当に勉強させていただきました。
家を継ぐことになり、まずは販売先だと。
どうしようかというときに、人の出会いの中で、飲料メーカー向けに出荷できたのです。3年経って、今年で4年目になります。基準が厳しいので、勉強をしながら、友達と情報を共有しながら進めているところです。
財部町は土がいいと商社の方からよく言われます。
ボラ地。黒土にボラが入っているのは、すごく保水力が強い。
減農薬を心掛けているので、安全、安心の薬は撒きますが、きちんと基準・ガイドラインに沿って栽培されています。
必要最低限の薬で済むのは土がいいからですね。
源流の水、この水もすごくいい。
おかげさまで、溝ノ口洞穴が国の文化財という指定をいただきました。ちょうどその、宮崎県側と鹿児島県側から流れてきている川が合流して、関之尾滝に流れています。うちの圃場の下にも水が絶え間なく注いでいます。
昔はいかだ流しや魚釣りをしょっちゅうやっていました。
成績表がでます。おかげさまで真面目にコツコツやっていればそれなりに評価を頂いているので、自信を持って進めているところです。うちのスタッフも3人いますが、皆が共有して「ここはこうだね、ああだね」と言いつつ、圃場によっても違いますから、一緒にやって喜びながら、悲しみながらやっています。
大変なのは薬の関係ですね。近隣農家に迷惑をかけてはいけない。
しっかりコミュニケーションをとってお互いに譲り合えている、お互いに助け合っている状況です。
曽於市全体で考えていくと、今からは輸出の時代です。
特に鹿児島県は志布志港から船での輸出を、今からどんどんやっていこうという雰囲気が流れています。実際に今輸出をされている方もいらっしゃいます。それを元にどんどん進化していくと思います。輸出が将来鹿児島県の、日本のお茶が伸びていく要因だと思います。日本のお茶は安全・安心ということが全世界に伝わっていますが、国外はものすごく農薬基準が厳しいのです。
今、農薬に対してもマニュアル化が進んでいます。そこが今からの課題であり、進めるところでもあります。
それが最終的な展望だと思っています。
おかげさまで、お茶は後継者が多いです。曽於市全体でも多いです。青年部の活動も盛んです。
研修に行くとか、情報共有するとか。集まって会合をして、いろいろな話が進められています。
例えばうちは子どもが4人いるのですが、長女の旦那が今農業を一緒にやっています。全くの未経験です。何も経験がないのですが、今は冬場なので研修に行っています。そのように、どこでも受け入れはあると思います。
大歓迎です、いつでも可能です。来て欲しいぐらいです。一緒に楽しくやりたいです。おかげさまで安定した生産額もありますので、冒険でもなく安定したことができると思っています。
人が温かいです。やはりそこです。救急車が通ると「どこだろう」と皆外に出るという感じです。
皆それだけ温かいのです。私も各地住みましたが、本当に故郷(曽於市)はいいですね。
それに、小学校を巡って溝ノ口洞穴、大川原峡、そしてここ関之尾滝。川伝いにずっと散歩できるのです。8、9月は彼岸花の散歩コースになっています。
さらにここは1キロ行けば宮崎県です。生活圏が都城、それか財部です。
全然不便なことはありませんね。生活は静かな環境でできて、子どもたちがいくら騒いでも気にする必要がないのはいいですね。
目指しているのは、農業をやりたいという人をお呼びして、杉苗の苗木も展開していこうと進めています。ご希望があれば是非就農していただいて、ほかにこれをやりたいと言っていただければ、一緒にできる体制は作っています。もちろんお茶が基盤ですが、その中でいろいろなことをやっていきたいです。
私は最終的にイチゴを始めて、イチゴの加工品を販売して。いい品種、珍しい品種を作り観光化できないかなと。関之尾滝、中谷小、溝ノ口洞穴、大川原峡もありますから、歩いて1日を過ごせるルートで、そういう販売ができると思っています。
若い人たちに、どんどんやりたいことを共有していただいて楽しく農業をやりたい、ということが私の考えです。
今から農業は、チームです。
チームメイトをしっかり作り、それからチームを増やし、収入を得る。その形ができれば、産地化ができます。チームメイトを増やさないと産地化はできない。
それが今後、農業を大きくする。そして自分が楽しむこと、それが全てで最終目標です。
農業はきつくて、経済的に厳しいです。だから基盤として、例えば私たちのお茶に一緒に取り組んでいただいて。
その中でこれをやりたいということを見つけていただいて、一緒に会社を大きくして、一つの部門という捉え方でやっていただきたいです。
やることができる、今、チャンスだと思っています。作るもの・土地は、本当にたくさんありますから。
すぐに就農したい方へ、農機具のリースやいろいろな援助がありますよと言いますが…。
一緒にやって、その中でこれをやりたいということを見出していただければ、それほど金銭的に苦労せずに済むと思います。絶対にそこは大事だと思っています。
茶園の管理を行う片平さん。鹿児島県でも財部町が一番遅場だが、契約栽培により一定の収入・単価が保たれている。
片平さんが栽培・出荷しているマカ畑。薬草として最近注目度が高まっている。農業委員という立場の中で、曽於市の農地が荒れていくのを防ぐためにどうだろうか、という試みからの栽培でもある。
財部町を中心に、最後は宮崎県御池まで作っている。標高も違い気温の差があることで、ちょうどいい具合に作業・収穫が流れていく。だから定期的に収穫できる。