-【移住者インタビュー】野菜が人と付き合うツールになっている 町田さんの場合-
前職を退職してから次の仕事を探していたときに、前から興味のあった農業を本格的に学びたいと思い始めたのがきっかけで曽於市に来ました。同時に引っ越し先も探していたのと、もともと自然が多いところが好きだったことが決めてとなり、曽於市への移住を決めました。
財部(たからべ)支所集落支援員として働いています。会議や、コミュニティだよりを作るために中谷地区のお祭りに出向いて写真を撮ったり、それを1枚のチラシにする作業などですね。空いた土日には財部地区にある直売所の仕事を手伝ったり、家で野菜を育てたりと色々やってます。
自然と人ですね。よく言われますが、環境が人を作るということが大きいです。この自然の中だからこそ、この人格ある人たちがたくさんいるのだろうなというイメージ。自分自身もここに来てから、投げやりになることがなくなりました。豊かな自然や、付き合いのある人たちがいい人たちなので、支えられているなと思います。あまり余裕がなく、細いロープを渡っているという感じの生活なのですが、この恵まれた自然と人々に囲まれると安心して渡れます。余裕はないけれど安心。これこそが曽於市の魅力ではないかなと思います。
移住してからこれまでの人間関係がガラリと大きく変わり、雪だるま方式でどんどん輪が広がってきている感覚がありますね。輪が広がれば誰かと繋がり、誰かと繋がれば何かの仕事に繋がる。移住してから本当にいろんなところで、多くの方と働く機会がありました。本当に嬉しいというかすごいことで、良いことだと思います。
農作物を育てているのですが、一度イノシシに農作物を全部荒らされて、もう何もやる気がなくなるくらいでした。サトイモ、サツマイモ、自然薯、全て持って行かれました。ジャガイモまで掘って持って行かれましたよ。考えていた以上に困りましたね。農業の大変さや動物との共存を思い知らされた瞬間でした。あと住居環境については、冬がとにかく寒すぎます。暖房器具なしでは生きていいけません。でも逆に、夏はクーラーなしで快適に生活することができますが。
もっといろいろな人と繋がることができたらいいなと思います。輪が広がっていくことで、曽於市にいることが楽しくなるので、どこに行っても誰とでも喋ることができる。いろいろな人とつながることができたら、また今年も1年楽しくなると思います。地元ではなるべくいろいろな人とうまい付き合いができたらいいなと思っています。あと、写真や動画を撮って編集もしたいですね。誰かをインタビューしたりすれば、またそこから広がりが出てくると思うので。
興味があれば、とにかく一歩踏み出すことですよね。街での暮らしに慣れている人が田舎に行くと、いろいろと不便だと思われると思います。でも栄えているエリアの近くにある田舎だと、あまり不便さを感じないはず。家からコンビニまで5分以内でなければいけない、という人でなければ住めるのではないかと思います。買い物も頻繁にすることがないです、田舎ですから。いろいろな人がいろいろなモノをくれるので、逆に買い物をしなくなりました。もらったものに対して何かを返そうと思うがゆえに、自分も野菜を作り始めます。それが勉強にもなるし、自分でも食べることができて、人にもあげることができる。良い循環が周り始めます。畑が一つのツール、野菜が人と付き合うツールになってきていて、人の家に遊びに行く時に自分の野菜を持って行ったり、この人はこれが好きだからこれを持って行ってあげようとかを考えますよね。仲間の存在は大事だと思います。
それからここに住むにあたって、最初に一番不安なことは隣近所の人を知らないということです。隣近所の人が今までと違って、ズカズカと家の中に入って来ることが嫌だなと思う人も多いと思います。ずっとそうではないけれど、その中で自分たちの一線は引いてやっていけるので、無理やり全部と付き合う必要はないと思いますし、自分たちのスタイルを貫いて全く問題ないです。助けてもらう時は助けてくれる、誰かが困っている時は自分が助けてあげる、ということさえしっかりしておけば、何の問題もないと思います。無理しなくても自分次第で楽しい暮らしは送れるので、まずは気軽に一歩を踏み出して欲しいですね。