お試し移住・田舎暮らし体験に参加して感じたこと:出会い編【移住先:鹿児島県曽於市】
おためし移住・田舎暮らし6泊7日プチ旅行
(第1話:11月22日~11月23日)
平成28年11月22日(火曜日)1日目
鹿児島空港に到着!
赤いパーカーのスタッフさんが迎えに来て下さっていました。
目立つから直ぐに分かりました。
途中、必要なものを買いにコンビニ‥ではなく、近郊のスーパーへ。
まず驚いたのが野菜の安さ!
100円で沢山袋に詰め込まれた野菜達がお出迎え。
学校に到着。
既に準備して頂いていた手作りピザ作りの作業に入りました。
廃校になっていた中学校を再利用しているとの事でしたが、何ともレトロで可愛らしい感じ。
音楽室は母子室、教員室は事務所、教室がカフェに変わっていたりして、素敵なリノベーションをされているなぁという印象。
緊張していたけれど、スタッフさん一人ひとりが和やかに話しかけてくださって、のんびりスタート。
ピザのトッピングに使用される野菜は、学校の農園のものだという話も伺いました。「好きな具材を、好きなだけ、好きな様にトッピングしていってね」と言って頂き、本当に好きな様にトッピング。後から来る参加者の方やスタッフさんの事も一緒に考えながら、どんなピザに仕上がるんだろう?と楽しい時間。
ピザ釜の火を起こしている最中、横の薪がクマさんの形に積み上げられているのをスタッフさんから教えて貰い、目を凝らすと本当にクマさん。
可愛い♪
たからべ森の学校の訓練生の方が積み上げて、完成された薪。
ピザ釜の準備が整った所に、丁度参加者全員が到着。
スタッフさん手作りの温かい野菜スープと一緒に、焼きあがったピザを頂きました。
教室の窓の外に見えるのどかな景色と、校舎やスタッフさんの優しい雰囲気、温かい食事が合わさって心身ともに都会で荒んだ心がほっこりしていく感覚。
(しかし、まだまだ緊張は続く。)
移動して、お茶農家さんのお話を聞く
午後は富岡製茶、橋口製茶さんのお話を伺いました。
表現は異なったけれど、お二方ともお茶に対する熱意が凄かった。
富岡さんはご自身のお茶畑に案内して下さり、お茶の葉がどのようにして育ち、どのように収穫されていくのか、現実的な収入含めた費用に関するお話等を、瞳を輝かせて説明して下さったのが印象的でした。
特別に普段は決まった日時にしか回さないスプリンクラーも目の前で回して頂いて、晴れていたのでお茶の葉に水滴がまんべんなく付いていき、それが太陽の光に反射して宝石のようにキラキラとするお茶畑の農家さんしか見られないような光景も見る事が出来ました。
風が吹くと、本当に僅かだけれどほのかにお茶の香りがしました。
冬場はお茶の葉も冬眠する季節だそうで、夏が最も気持ち良いそうな。
苗が収穫できるように育つまで10年もかけて、それから4年置きに枝を刈って、手入れをして。
お茶の葉の素になっていたのが椿の花だということも初めて知りました。
よくスーパーやお店等で「丹精込めて作りました」って書いてあるパッケージの表示は、目にすることはあっても特別考えることもなく見過ごしてしまう事が多いけれど、こんな風にお話を直接伺えるとこれから商品を手に取る際の気持ちも違ってくるだろうな、と感じました。
橋口さん宅?(お店や工場)では、予め準備して待って頂いていた特別仕様な工場でのティータイムを皆で満喫。
緑茶、ほうじ茶、紅茶をお手製の可愛らしいムーミンの型で作られた紅茶クッキーと共に飲み比べ。
お茶の美味しい煎れ方、急須や湯冷ましの使用方法を丁寧に教えて下さりました。
こんなに素敵なら、工場でカフェとかしないのかな?なんて思ってしまう程、可愛らしく独特な雰囲気の中での時間でした。
若奥さんと旦那さんの出会いのエピソードにも、心温まりました。
色んな出会い方があるんだなぁ。
夕方にはそれぞれの宿泊先へ移動し自身はメセナへ。
一週間寝泊まりする先がどんなところなのか内心ドキドキしていましたが、
受付の方もアットホームな清潔感に溢れた地域の方に愛されている温泉施設。
客室清掃の方が、お風呂に行っている間に部屋にお布団を敷いて下さっていた事に驚きました。
今時セルフサービスを取り入れて行っている施設が多い中、滅多に無い心遣いなのでは?ご飯も美味しかったです。
朝、晩、共に7日間日替わりで定食のような感じのメニューでした。
朝食は和食と洋食が選べて、どちらも美味しかったので一日置きにお願いしていました。
平成28年11月23日(水曜日)2日目
悠久の森 溝ノ口洞穴にウォーキングに行く為、
ガイドさんになって下さるスタッフさんとの待ち合わせ場所の大隅大川原駅まで向かいました。
大隅大川原駅、目の前に大きく立派なイチョウの木が。
皆で写真大会、近所のおばあちゃんがスタッフさんとお喋りがてらお出迎えして下さいました。
おばあちゃん、たまたま居合わせただけみたいだったけれど、とてもにこやかに「皆遠くから来たねぇ」「写真撮るなら、もっとめかしてくれば良かったわぁ」と嬉しそうに話しかけて下さって気持ちほっこり。
が、悠久の森に到着した辺りで、人見知りによる緊張がピークに達し、1人一時学校へ避難。
といっても、交通手段が無かったのでスタッフさんのお力をお借りして急遽昼食は学校で食べられる様に予定を変更して頂いたりして、たからべ森の学校内に12月にオープン予定のカフェにて休憩タイムとなりました。
心配したスタッフさんが温かい紅茶と(丁度余っていた?)手作りの林檎ムースを出して下さりました。
「無理しなくていいからね」「最初から溶け込める人なんていないから大丈夫だよ」と言って下さって、落ち着きました。
慣れない土地で人の優しさが心に染み渡る…。
何となく、都会だと気疲れしてしまってどうしても人見知りして、初対面だったり複数の人数で移動し行動を共にしたりする事が苦手な事から、人と距離を置く事で自分の身を守ってしまったりする所があったりするのだけれど。
ここでは無理にそんな自分を奮い立たせる必要もなく、あるがままで過ごしても大丈夫なのかなぁ、と感じられるのが嬉しかったです。
お陰で、午後からは予定通り皆と住吉神社へ。
住吉神社に到着した時のこと。
流鏑馬祭りが執り行われる予定と伺っていたので、
どんなお祭りなのかな?きっと沢山の人でごった返しているに違いない!と予想していたのですが、駐車場がなかなか見えてこない。
どこまでも続く、田園風景に林。
案内の方も見当たらない…スタッフさんと共に若干不安になってきた瞬間、やっと道路の奥まったところに案内の方が。
皆元気なおじいちゃん。
「もう甘酒は終わってるかもしれんよ?」
まだ、何も聞いて無いのに甘酒情報を下さりました。面白い。
住吉神社に駐車場から徒歩で到着すると、まだ甘酒残ってました。
一緒にこんにゃくに生姜、醤油を加えた和え物も頂いて、今まで見たこともない程大きな馬を目の前にしながら、甘酒を堪能しました。
南の方に行けば行く程、動物も虫も大きくなるって本当かもしれない。
よく見掛けるポニーを5〜6倍ぐらいにしたサイズの馬は迫力満点です。
流鏑馬祭りが始まるまでの間、地域のガイドさんが住吉神社の裏側にある、不思議なパワースポットを案内して下さる事になりました。
神社の奥左側から伸びる、自然を味方に付けた階段を登ります。
神社同様、一度台風の被害を受けてしまった為に一部破損してしまった所を、地元の方々が協力して直して下さったのだとガイドさんから伺いました。
小高い丘にあった、不思議な石。
一説では県境の目印、または誰かのお墓、神様の祀られていた場所、様々な説があるそうですが、未だに解明されていないという。
「どなたか解明してくださいませんか?」「いやいや」「う〜ん(笑)」といった参加者とガイドさんの会話のやり取りの最中、神社の本殿の方で流鏑馬祭りの準備が整った音が聞こえてきて、皆で下り坂の足元に気を付けながら本殿まで戻ります。
「まだ修復が間に合っていない神社の祠にも、地元のおじいちゃんが小さくお辞儀をしていたのが印象的だったね」と一緒に参加した方に言われて、はっとしました。
ガイドさんによれば、本殿から流鏑馬祭りの執り行われる鳥居のある場所まで伸びている長い階段の中腹に祠があって、つがいになっていたようですがそれも台風による倒木で破損してしまって、片方だけになってしまったのだとか。
その片方だけになってしまっていた祠に、深々と頭を下げていた方がいらしたからです。
地元の方に大切にされ愛されてきた神社だからこそ、長い年月が過ぎても尚、こうして形を残しているのかもしれない。
新しいものが次から次へと移り変わるように出来ては消えていく都会の街並みとは違い、代々人の手によって受け継がれ、風格を増してきた神聖な場所。そんな雰囲気でした。
そしていよいよ、流鏑馬祭り。
小学生から社会人までの選ばれた4名が順々に登場。
住吉神社の鳥居の方に向かって、馬に跨り順番に1人三回ずつやってきて弓を放ちます。
一人目の小学校低学年の男の子は鳥居のところまで来た際、一度馬から振り落とされてしまったようで心配になりましたが、そこですかさず、師匠兼、本日のアナウンサーのおじいちゃんが一言。
「馬から振り落とされ、落ちるのも経験です。勉強になりましたね。」
周囲から朗らかな笑いが沸き起こり、無事だった様子。
それにしても、何と和やかなのだろう。
二人目の少し大きい中学生の男の子は、列になっていた地元の観客の前を通り過ぎていく際、緊張した様子だったけれど帰りは誇らしげ。
三人目は高校生の男の子で去年も出場したのか、もう大分余裕がある様子。
帰り際に知り合いと思われる方々の前で、思い切り「やったぞ!」といった感じに手を振っていました。
四人目は唯一、社会人の女性。
全ての的に命中させるという難しい技を見事にやってのけて、「今年も、完璧!お見事っ!」と声を高らかに喜ぶ地元の方の声援を受け、その笑顔が自信にみなぎっていました。
弓が的に命中する瞬間は、とても清々しく、見ているこちらも邪念が消え去るような感覚になります。
流鏑馬祭りの後は、子供達向けの油竹上りなるイベントがありました。
長く太い竹に、その名の通り油が塗られ、そのてっぺんに呉服屋さんからのご褒美が詰まった大きな袋がぶら下がる。
竹を登りきって、袋の入り口に結ばれた紐を引っ張る事が出来れば成功なのだそう。
始めは子供達のみで一生懸命登ろうとしますが、やはり難しいのか手も足も滑って、てこずるっていると大人も加わり、下からお父さんお母さんが手助けを始めます。
中には友達や兄弟を肩車して、子供達のみで登りきろうとする子もいました。
年に一度しかないお祭りを一通り目にする事が出来て、面白かったです。
宿舎に戻ると少し顔を覚えて頂けたのか、食堂のおばちゃんが気さくに話掛けて下さり、1人で参加していた夕飯時の物寂しさと疲れが癒されました。
メセナの温泉も気持ちが良くて、ゆっくり過ごせました。
つづく